LDHの新グループだと思ってる? XGの成り立ちから見えてくるヒミツの育成法
あなたはXGを知っていますか?
何となく、ルックスだけは知ってる。
雰囲気的にLDHの新グループか何か?
くらいのイメージの方、是非紹介させて下さい。
全員日本人ながら多言語を操り、
活動範囲を国内に限らない。
もしかしたら、日本で初めて世界的な人気を得る
ガールズグループになるかもしれません。
彼女らの成功を確信させるほどに、
2023年1月にリリースされた
「Shooting Star」と「LEFT RIGHT」は
革新的で素晴らしかった!
本稿では、彼女らがこれまでのグループとどのように違うのか、その成り立ちから語っていきたいと思います。
グローバルチームを目指して集結した元AVEX研修生
かつて「X-GALAXY」と呼ばれるプロジェクトがありました。このプロジェクトは「avex」と韓国の芸能事務所「XGALX」の共同で実施され、
5年をかけて世界で活躍できるユニットを育成する
ことを目的に始動しました。
参加したメンバーは全員avexの研修生。
全員で14名ほど参加したと言われています。そこから5年の練習期間を経て、現在の7名が最終的に選抜されました。
研修生の中にはKep1erの「江崎ひかる」、また元のオーディション番組であるGirlsPlanet999に参加した「神藏令(かみくられい)」も居たそうです。
実はわたくし、ガルプラを見始めてから最初に上げた記事で2人について言及してました。
ラップスキルという観点では、前知識がなくても飛び抜けていた2人。相当、優秀な育成プログラムだったことが分かります。
XGは主にラップを担当する4人、ボーカルを担当する3人で構成されています、どちらも相当レベルが高いです。
クオリティの高さが分かる動画を載せておきます。
これらを観て、彼女らがただラップが上手い、ただ歌が上手いというレベルとは次元が違うのがお分かり頂けたのではないでしょうか?
そう、平均で20歳そこそこの女の子たちのHip-HopもしくはR&Bがまるで本場仕込み。英語が上手いだけでなく、ジャンルのマナーまで心得ている。
どうして、ここまでのレベルにまで至ったのでしょうか?
1番大きな理由は、プロデューサーのSIMON氏にあると思われます。
XGはK-POPなのか?
SIMON氏はアメリカ・シアトル生まれの、韓国人・日本人のハーフです。また、英語、韓国語、日本語を話すトリリンガルでもあります。
彼は元々K-POPアーティストです。以下、簡単な来歴を載せます。
2006年 avexのオーディションに受かり、研修生となる。
2012年 韓国のボーイズグループDalmatian(後にDMTNに改名)としてデビュー、サブラッパー/リードダンサーを担当。
2013年 メンバーの大麻疑惑によりグループが活動休止。
2014年 音楽プロデューサーとして活動を開始、AileeやJunggigoといった韓国の有名アーティストを手がける。
2018年 avex所属のプロデューサーとなる。その頃にローンチした「XGALX プロジェクト」のエグゼクティブ・プロデューサーを担当する。
SIMON氏はXGの全楽曲の作曲にJAKOPS名義で参加しています。
洗足学園音楽大学出身で、音楽理論を学んでいるということもあり、曲作りから全体のプロデュースまで包括的にディレクションをしている模様です。
自分が調べた限りでは、SIMON氏が影響を受けたジャンルなど、音楽的なバックグラウンドは分かりませんでした。
が、XGの音楽を聴いているとK-POPというよりかはUSもしくはグローバルな音楽市場を視野に入れて、本格的なHip-Hop、R&Bを目指しているのだと感じます。
パフォーマーとしても、作曲家としても実績のあるSIMON氏の趣向はXGの楽曲に強く影響を及ぼしています。
しかし、これはあくまでプロデュースの話。彼女らの世界水準の音楽的素養を育成したのは、あくまでavexの社運を懸けたプロジェクトの影響が大きいことがわかってきました。
エイベックスの新体制「avex Youth」とは
2022年11月1日、avexが発信したコーポレーション・ボイスは非常に興味深いものでした。
これを読んだら、XGの育成の謎が少し解けた気がしました。
才能発掘のスペシャリストが 〜中略〜 光る素質や個性、強い思いを持つ第一弾のavex Youthメンバー(特待生)を約100名選出しました。
avex Youthメンバーには、実力と名声を兼ね備えたアーティストや数多くのヒットコンテンツをグローバルに生み出してきた育成プロデューサーや
https://avexnet.jp/news/detail.php?id=1012025 より
ヴォーカル・ダンストレーナーなどのスペシャリストによるスターになるためのレッスンはもちろん、集中して取り組むための育成寮や、語学・SNSマーケティングなどの学習の機会が提供されます。
これはavexが若い才能を発掘し、育成していくシステムをプレスリリースにて明らかにしたものです。
まさに、この記事の中で、avexは「XGALX プロジェクト」を、「avex Youth」のうちの進行中プロジェクトとして紹介しています。
「XGALX プロジェクト」を進める中で、グローバルなエンターテイメント市場で活躍できる人材育成のメソッドを蓄えっていったようです。
これまで、才能ある様々な子たちをたくさん見てきましたが、やはり本人のやる気や想いの部分が強くなくてはうまくいきません。
これは我々がavex Youthを立ち上げる前、XGALXプロジェクト(グローバルアーティストの輩出を目指すプロジェクトhttps://xgalx.com/)を進めていく中で、韓国のプロダクションの育成法などを学びながら肌で感じたことでもありました。
韓国では、毎日朝からスタジオに入って、夜遅くまでトレーニングをしていることが当たり前になっていて。
その結果が、K-POPアーティストのスキルの高さや、現在のムーブメントに繋がっている。もちろん、私たちの仕事は才能がある子たちのやる気を向上させることでもあるので、その辺りのバランスは丁寧に進めています
https://avex.com/jp/ja/contents/avex-youth/ より
XGの育成のモデルはやはり韓国にあったようです。が、それが目指すものはK-POPではなく、日本発の音楽が世界で通用することを目指しています。
まさにK-POPがより広い市場を求めてサウンドをグローバルデザインしていったように、理念の部分からK-POPがモデルとなっているのです。
以上、XGの異質な成り立ちから、彼女らの育成法までを語ってきました。
1番気になる、肝心なところの、「どのような練習法」であそこまで本格的なHip-Hop、R&Bが出来るようになったのか。
その具体的なメソッドに関しては流石にトップシークレットなようです。もしかしたら、この先、少なからず明らかになっていくかもしれません。
次稿では、最新曲の「Shooting Star」と「LEFT RIGHT」について分析しながら、彼女らの音楽的魅力について具体的に語っていきたいと思います。
是非、お楽しみに!
ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました。
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プロフィール
hiroと申します。元CDショップに7年勤務。また、最後の2年間はFMラジオ番組で、J-POP、J-HipHopをレコメンドしていました。仕事は辞めてしまいましたが、音楽情報を発信してきた経験が楽しかったので、ブログとPodcastを始めました。こちらのブログでは、ポップなフィールドで活躍するラッパーの応援をしていきます!
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